校長徒然2025.05.21
教員生活2年目。近隣の市町村からやんちゃな生徒が集まってくる学校で、はじめての担任。朝から生徒たちを追いかけ回し、放課後は部活動。北の大地で、それなりに充実した毎日を過ごしていた。そんな時、よく声をかけてくれる校長先生がいた。なぜかいつも同じ言葉だった。
それはあなたにしかできないことですか?
廊下で生徒と雑談をしている時も、グラウンドでノックをしている時も…なにが言いたいのか?わからなかったし、気にはなったが、そのことを誰かに相談するでもなかった。
文化祭、クラスでねぷた山車を制作した。なかなかよいできばえだった。生徒たちは山車を見上げ、誇らしげに胸を張った。お披露目で町を練り歩いた。となりの高校も同日開催。仮装行列で町を練り歩いていた。重ならないように公的な機関によるコース分けがおこなわれた。となりの高校は町の繁華街を練り歩く。こちらは、なぜだか、中心部を外れたコース。誰もみていない暗い道をひたすら歩く。生徒たちが次第にうつむき、声も出なくなった。やるせない気持ちになった私は、大声で「わっしょいわっしょい。そーりゃそーりゃ」とはしゃいだ。いつしか、生徒たちも一緒になって笑い泣きしながら歩みを進めていた。そんな時、校長先生が駆け寄ってきて、とびきりの笑顔で「先生、これはあなたにしかできないことですね。」そうおっしゃった。
思えば、何度もめげそうになりながら、長く教員を続けられた(やりがい)の原点がそこにあったような気がする。最高のYELLをありがとうございました。